海外安全対策情報(平成28年度第2四半期)
平成28年10月4日
海外安全対策情報(平成28年度第2四半期)
1 平成25年2月中旬、サバ州東海岸沿岸のラハ・ダトゥ地区への「スールー王国」を自称するフィリピンからと見られる数百人の武装勢力の侵入に対して、マレーシア治安当局(マレーシア軍及び警察)は攻撃を行いました。
これに伴い、ラハ・ダトゥ周辺地区に対しては2月18日及び3月4日の2回にわたりスポット情報を発出した後、3月8日には、ラハ・ダトゥ、クナ及びセンポルナ周辺地域を「渡航の延期をお勧めします」に、サンダカン、タワウを含むその他の東海岸地域には「渡航の是非を検討してください」にそれぞれ危険情報を引き上げ、また、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、引き続き「渡航の是非を検討してください」の危険情報を発出しました。
その後、マレーシア治安当局により武装勢力の大半が死亡又は拘束され、6月に作戦終了を宣言したため、警察官や軍の配備は徐々に削減しています。 しかし、11月中旬、センポルナ地区近海のポンポン島において、同島に所在する施設に宿泊していた外国人旅行者2名が、フィリピンのアブサヤフと見られる武装集団に襲撃され、1名が射殺、1名が誘拐された後、約1か月後にフィリピンで身柄が保護される事件が発生しました。
平成26年4月2日、センポルナ地区沖合のシンガマタ島にあるリゾートホテルで、外国人観光客1名及び同ホテルの外国人従業員が、武装集団に誘拐される事件が発生し、5月30日に身柄が保護されました。
続く5月6日、サバ州東海岸ラハ・ダトゥ近郊のバイキ島の養魚場に勤務する中国人マネージャーが、5人組の武装集団に誘拐される事件が発生し、7月10日に身柄が保護されました。
更に6月16日、サバ州東海岸ラハ・ダトゥ近郊クナの養魚場を経営する中国人とフィリピン人の警備員が、2人組の武装集団に誘拐される事件が発生しました。このうち中国人については、12月中旬にフィリピン及びマレーシアの仲介者によって解放されました。
7月12日、センポルナ沖合のマブール島にあるリゾートホテルが、8人組の武装集団に襲撃され、警察官1人が殺害され、1人が拉致される事件が発生しました。その後、拉致された警察官は、平成27年3月6日に解放されました。
こうした誘拐事件等が頻発したことを理由に、7月14日、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対して「渡航の延期をお勧めします」に危険情報を引き上げました。
その後、7月19日、マレーシア政府は、サバ州東海岸のサンダカン、キナバタンガン、ラハ・ダトゥ、センポルナ、タワウ各地域の沿岸から3海里の地点からフィリピン国境までの海域(シパダン島等の島嶼部周辺海域を含む)に対して、夜間外出禁止令を発出し、対象地域を渡航する船舶への取り締まりを強化し、密輸目的の船舶を逮捕するなどの成果を挙げています。
10月30日、コタキナバル市南方のペナンパン地区で、スールー王国軍協力者のリクルート及び資金獲得のための強盗事件を起こしていたフィリピン国籍者2人が、警察との銃撃戦で死亡する事件が発生しました。
平成27年5月14日、サンダカンの海上にあるシーフードレストランの共同オーナー及び顧客2名が、4人組の武装したグループに誘拐される事件が発生しました。このうちオーナーについては、11月8日にフィリピン及びマレーシアの仲介者によって解放されましたが、顧客は18日、武装グループによって殺害されたことが確認されました。
その後サンダカン周辺地域への更なる襲撃の可能性が排除し得ないため、7月28日付けで、サンダカン及びその東側の沿岸地域については、「渡航の是非を検討してください」から「渡航の延期をお勧めします」に引き上げました。
平成28年5月7日及び9日、マレーシアの治安当局は、「スールー王国軍」の関係者と思われる22名を治安違反・特別対策法容疑で逮捕しました。警察幹部によれば、逮捕された者は、同軍勢力がマレーシアに侵入するための内通を行っていた由です。
4月1日、サバ州センポルナ沖合,7月9日及び18日ラハダトゥ沖合,9月11日及び27日センポルナ沖合で漁船が武装集団に襲撃され、マレーシア人,フィリピン人の乗員が誘拐される事件が発生しました。
以上のように、現在も新たな武装勢力が侵入し、誘拐事件を引き起こす可能性が排除されないため、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、どのような目的であれ渡航を延期されるようお勧めします。
なお、上記以外の地域(コタキナバルを含むその他の地域)については、危険情報は発出されていません。 (注:上記の危険情報の名称については、平成27年9月1日より「渡航の是非を検討してください」から「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に、「渡航の延期をお勧めします」から「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」にそれぞれ改称されています。)
2 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(出典:マレーシア連邦警察クライムインデックス)
(1)サラワク州における犯罪発生状況(2014年)
〇 犯罪発生件数7,556件(2013年より1,635件(18%)減少)
〇 罪種別犯罪発生件数
【凶悪・粗暴犯】
殺人41件,強盗300件,傷害413件,強姦138件等
【財産犯】
侵入盗1,402件,ひったくり140件,自動車盗916件等
(2)サバ州における犯罪発生状況(2014年)
〇 犯罪発生件数5,210件(2013年より562件(10%)減少)
〇 罪種別犯罪発生件数(2014年)
【凶悪・粗暴犯】
殺人52件,強盗318件,傷害232件,強姦220件等
【財産犯】
侵入盗1,377件,ひったくり68件,自動車盗327件等
(3)コタキナバルにおける犯罪発生状況
〇 2014年の犯罪発生件数は1,493件で、昨年の1,626件より、133件(8.18%)減少しています。このうち、殺人は2013年の10件から3件に減少した他、家宅侵入盗は98件(前年比23.33%)減少、強盗は25件(前年比20.35%)減少、窃盗は25件(前年比7.53%)減少しています。しかし、オートバイ盗は44件(前年比14.81%)増加の341件となり、いっそうの注意が必要です。
3 邦人犯罪被害の事例
9月8日夜7時頃、旅行者がコタキナバル市パレスホテル入り口付近 で強盗の被害に遭いました。
4 テロ・爆弾事件発生状況
管轄内における事件の発生は報告されていません。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
日本人被害の事件は報告されていません。
6 対日感情
基本的に良好であり,特段の変化はありません。
7 日本企業の安全に関する諸問題
特に問題発生したとの情報は報告されていません。
1 平成25年2月中旬、サバ州東海岸沿岸のラハ・ダトゥ地区への「スールー王国」を自称するフィリピンからと見られる数百人の武装勢力の侵入に対して、マレーシア治安当局(マレーシア軍及び警察)は攻撃を行いました。
これに伴い、ラハ・ダトゥ周辺地区に対しては2月18日及び3月4日の2回にわたりスポット情報を発出した後、3月8日には、ラハ・ダトゥ、クナ及びセンポルナ周辺地域を「渡航の延期をお勧めします」に、サンダカン、タワウを含むその他の東海岸地域には「渡航の是非を検討してください」にそれぞれ危険情報を引き上げ、また、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、引き続き「渡航の是非を検討してください」の危険情報を発出しました。
その後、マレーシア治安当局により武装勢力の大半が死亡又は拘束され、6月に作戦終了を宣言したため、警察官や軍の配備は徐々に削減しています。 しかし、11月中旬、センポルナ地区近海のポンポン島において、同島に所在する施設に宿泊していた外国人旅行者2名が、フィリピンのアブサヤフと見られる武装集団に襲撃され、1名が射殺、1名が誘拐された後、約1か月後にフィリピンで身柄が保護される事件が発生しました。
平成26年4月2日、センポルナ地区沖合のシンガマタ島にあるリゾートホテルで、外国人観光客1名及び同ホテルの外国人従業員が、武装集団に誘拐される事件が発生し、5月30日に身柄が保護されました。
続く5月6日、サバ州東海岸ラハ・ダトゥ近郊のバイキ島の養魚場に勤務する中国人マネージャーが、5人組の武装集団に誘拐される事件が発生し、7月10日に身柄が保護されました。
更に6月16日、サバ州東海岸ラハ・ダトゥ近郊クナの養魚場を経営する中国人とフィリピン人の警備員が、2人組の武装集団に誘拐される事件が発生しました。このうち中国人については、12月中旬にフィリピン及びマレーシアの仲介者によって解放されました。
7月12日、センポルナ沖合のマブール島にあるリゾートホテルが、8人組の武装集団に襲撃され、警察官1人が殺害され、1人が拉致される事件が発生しました。その後、拉致された警察官は、平成27年3月6日に解放されました。
こうした誘拐事件等が頻発したことを理由に、7月14日、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域に対して「渡航の延期をお勧めします」に危険情報を引き上げました。
その後、7月19日、マレーシア政府は、サバ州東海岸のサンダカン、キナバタンガン、ラハ・ダトゥ、センポルナ、タワウ各地域の沿岸から3海里の地点からフィリピン国境までの海域(シパダン島等の島嶼部周辺海域を含む)に対して、夜間外出禁止令を発出し、対象地域を渡航する船舶への取り締まりを強化し、密輸目的の船舶を逮捕するなどの成果を挙げています。
10月30日、コタキナバル市南方のペナンパン地区で、スールー王国軍協力者のリクルート及び資金獲得のための強盗事件を起こしていたフィリピン国籍者2人が、警察との銃撃戦で死亡する事件が発生しました。
平成27年5月14日、サンダカンの海上にあるシーフードレストランの共同オーナー及び顧客2名が、4人組の武装したグループに誘拐される事件が発生しました。このうちオーナーについては、11月8日にフィリピン及びマレーシアの仲介者によって解放されましたが、顧客は18日、武装グループによって殺害されたことが確認されました。
その後サンダカン周辺地域への更なる襲撃の可能性が排除し得ないため、7月28日付けで、サンダカン及びその東側の沿岸地域については、「渡航の是非を検討してください」から「渡航の延期をお勧めします」に引き上げました。
平成28年5月7日及び9日、マレーシアの治安当局は、「スールー王国軍」の関係者と思われる22名を治安違反・特別対策法容疑で逮捕しました。警察幹部によれば、逮捕された者は、同軍勢力がマレーシアに侵入するための内通を行っていた由です。
4月1日、サバ州センポルナ沖合,7月9日及び18日ラハダトゥ沖合,9月11日及び27日センポルナ沖合で漁船が武装集団に襲撃され、マレーシア人,フィリピン人の乗員が誘拐される事件が発生しました。
以上のように、現在も新たな武装勢力が侵入し、誘拐事件を引き起こす可能性が排除されないため、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、どのような目的であれ渡航を延期されるようお勧めします。
なお、上記以外の地域(コタキナバルを含むその他の地域)については、危険情報は発出されていません。 (注:上記の危険情報の名称については、平成27年9月1日より「渡航の是非を検討してください」から「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に、「渡航の延期をお勧めします」から「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」にそれぞれ改称されています。)
2 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(出典:マレーシア連邦警察クライムインデックス)
(1)サラワク州における犯罪発生状況(2014年)
〇 犯罪発生件数7,556件(2013年より1,635件(18%)減少)
〇 罪種別犯罪発生件数
【凶悪・粗暴犯】
殺人41件,強盗300件,傷害413件,強姦138件等
【財産犯】
侵入盗1,402件,ひったくり140件,自動車盗916件等
(2)サバ州における犯罪発生状況(2014年)
〇 犯罪発生件数5,210件(2013年より562件(10%)減少)
〇 罪種別犯罪発生件数(2014年)
【凶悪・粗暴犯】
殺人52件,強盗318件,傷害232件,強姦220件等
【財産犯】
侵入盗1,377件,ひったくり68件,自動車盗327件等
(3)コタキナバルにおける犯罪発生状況
〇 2014年の犯罪発生件数は1,493件で、昨年の1,626件より、133件(8.18%)減少しています。このうち、殺人は2013年の10件から3件に減少した他、家宅侵入盗は98件(前年比23.33%)減少、強盗は25件(前年比20.35%)減少、窃盗は25件(前年比7.53%)減少しています。しかし、オートバイ盗は44件(前年比14.81%)増加の341件となり、いっそうの注意が必要です。
3 邦人犯罪被害の事例
9月8日夜7時頃、旅行者がコタキナバル市パレスホテル入り口付近 で強盗の被害に遭いました。
4 テロ・爆弾事件発生状況
管轄内における事件の発生は報告されていません。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
日本人被害の事件は報告されていません。
6 対日感情
基本的に良好であり,特段の変化はありません。
7 日本企業の安全に関する諸問題
特に問題発生したとの情報は報告されていません。