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海外安全対策情報(平成24年度第4四半期)

 

1 社会・治安情勢

  2月中旬、サバ州東海岸のラハ・ダトゥ地区にフィリピン人と見られる数百人の武装勢力が侵入し、同地区のタンダオ村を占拠しました。これに対してマレーシア治安当局は、武装勢力に対して退去要請を行いましたが、同勢力はこれに応じませんでした。その後双方の一部での銃撃戦によるマレーシア側の死亡事案が発生したことを契機に、マレーシア軍及び警察は、武装勢力を一掃させるため拠点地区への爆撃を含む激しい攻撃を行ってきました。

  これに伴い、ラハ・ダトゥ周辺地区に対しては2月18日及び3月4日の2回にわたりスポット情報を発出した後、3月8日には、ラハ・ダトゥ、クナ及びセンポルナ周辺地域を「渡航の延期をお勧めします」に、サンダカン、タワウを含むその他の東海岸地域には「渡航の是非を検討してください」にそれぞれ危険情報を引き上げ、また、サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、引き続き「渡航の是非を検討してください」の危険情報を発出しました。

  報道によれば、4月上旬において、マレーシア政府当局は武装勢力の大半は死亡又は拘束したとしており、今後は戦闘で被害を受けた住民への対応を行う段階に来たとしていますが、武装勢力の一部が逃亡しているため、引き続き注意が必要です。

  なお、上記以外の地域(コタキナバルを含むその他の地域)については、危険情報は発出されていません。

 

2 一般犯罪の傾向

1.犯罪統計等

(1)サラワク州における犯罪発生状況(2012年1月から10月の間)

  ○ 犯罪発生件数5,470件(前年同期比444件減)

  ○ 罪種別犯罪発生件数

    【凶悪・粗暴犯】

    殺人43件,強盗・恐喝2,233件,傷害452件,

    強姦・強制わいせつ169件等

        【財産犯】

    窃盗327件,侵入窃盗0件

(2)サバ州については最新統計の公開はありません。2月中旬に発生した東海岸の外国人武装勢力侵入事案に際して、連邦警察は東海岸を中心に多数の警察官や軍を投入して治安維持に当たっていますが、一部の侵入者が逃亡しているため、完全な解決には至っていません。コタキナバル市内でもさまざまな噂が広がり、治安悪化が心配されましたが、これまで特に目立った被害は報道されていません。

 

2.邦人被害事案

日本人被害の事件は報告されていません。

  

3 テロ・爆弾事件発生状況

  事件の発生は報告されていません。

 

4 誘拐・脅迫事件発生状況

  日本人被害の事件は報告されていません。

 

5 日本企業の安全に関する諸問題

  1月28日、サラワク州ビンツル郊外のサマラジュ工業団地において、日本企業で働いている現地労働者のストライキがあり、暴動に発展する可能性があったため、コタキナバル出張駐在官事務所と在マレーシア日本国大使館から計2名の館員を現地に派遣し対応にあたりましたが、その後労使協議を経て解決しました。